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秋の夜長にお勧めのクラシック音楽3選

音楽関連

 Sir Arnold Bax : Symphony No.3 (バックス 交響曲第3番)

バックス(1883-1953)は、20世紀初頭のイギリスの作曲家。お金のために作曲する必要のなかった人です。オーケストラスコアをピアノでスラスラ弾くことのできる音楽的才能に恵まれた天才。暗めでやや時代遅れの音楽スタイルと言われ、あまり評価の高い作曲家ではなかったようです。しかしながら、その音遣いの繊細さや深い情愛に満ちた音楽にはゾワゾワさせられます。秋の深まりを感じながら浸ってみるのはいかがでしょうか。
 
曲の冒頭から、暗い森の冷たい空気と風にさらされる。魔物たちが戦っているような神話の世界に引きずり込まれます。2楽章は穏やかな金管楽器の音に包まれ幻想的な世界です。3楽章は明るい弦楽器と金管楽器のコントラストの楽しい曲。エピローグは美しい夕刻を見ているような穏やかな気分を誘ってくれます。
 
 

 Sir Graville Bantock : The Witch of Atlas /(バントック:アトラスの魔女)

バントック(1868-1946)も、バックスと同世代のイギリスの作曲家。裕福な家庭に育ち、恵まれた音楽人生を送った。ケルトの神話や、異国情緒をテーマにした作品が多い。透明感のある音色の曲に癒されます。
 
この”アトラスの魔女”は、19世紀イギリスの詩人、シェリーの代表作。北アフリカにまたがるアトラス山脈に住む魔女。人間の醜さ、美しさ、滑稽さを見つめ、いたずらをしながらも人間を覚醒させユートピアに導いていく。というお話らしい。音楽なので何を想像するも聞く人の自由であるが、美しいユートピアに思いを馳せ、まったりとよい気分に浸りながら聴くに楽しい曲。  
 
 
 

Sir Arnold Bax:November Woods / (バックス:11月の樹々) 

もう一曲バックス。tone -poem (音楽詩)とバックスが命名している曲がたくさんあります。どれも情景が呼び起こされるオーケストレーションの美しい曲です。

この”11月の樹々”も晩秋の嵐の光景が目に浮かぶ。冷たい荒れ狂う風が樹々をざわめかせている。中間部は穏やかな柔らかい陽が降り注ぐ。再び、最初のキーに戻りクライマックスを迎え、穏やかなエンディングで閉じます。

壮大な自然の描写でもありますが、その作曲当時バックスが抱えていた私的問題。奥さんとの不和、ピアニストのハリエット コーエンとの愛情の葛藤とも重ねることができます。

バックスの温かい細やかな愛情あふれる音楽。秋の夜長に彼の人生に触れ、その音世界に触れてみてはいかがでしょうか。生でこの音楽を聴いてみたいと思うのは私だけではないはずです。いつの日にか日本で聴いてみたいものです。

Arnold Bax "November Woods" Tone-poem
"November Woods", Tone-poemby Arnold Bax (1883-1953)Ulster OrchestraBryden Thomson, conductorBelfast, VI.1982

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